㈱千都設計ブログ「日々是切磋琢磨」

千葉市美浜区の㈱千都建築設計事務所のブログです。業務や社内のコトなど、あれこれ綴っていきます。

済生会習志野病院手術棟見学会

こんばんは、広報担当Aです。

 

 

先週10/31(月)、当社の部長Oが設計を担当した済生会習志野病院手術棟の
現場見学会が行われました。

この棟は病院本体の裏側に増築され、地上3階・地下1階建のSRC造+一部S造です。

ポイントカラーとして赤と黒を階段に使用しています。  
それでは早速、地下1階は発電機室から行ってみましょう。
 
発電・空調等、いわば病院にとっては中枢部分としてエネルギーを非常に多く使うため、 この棟に専用フロアとして設置されています。   
500kwの自家発電機が設置されているので、手術中に停電が起きても対応可能です。
所員達との身長差と比べてみても、どれもこれも大きいのがおわかりでしょうか。
これだけ大きい機械が沢山あれば、当然、作動時の音も相当なものになるので 壁や天井には吸音材が貼られています。   

天井に這わせられた配管の数々がまるで迷路のごとく…。

 

 

続きまして、1階に上がりますと、MRI室とリハビリ室があります。
  
工事中のMRI室の壁には銅箔が埋め込まれています。  
MRIは非常に強い磁気を帯びているため、この銅箔が磁気遮蔽の役割を果たしてくれます。 

当然ながら、MRI室内の設備には鉄は一切使われず、代わりにアルミで代用しています。

 

MRI室を出ると、隣にはリハビリルームがあります。 

四肢機能のみならず、言語療法や物理療法のリハビリも行うことができます。

 

窓の外にスロープが設けられているのも、これもリハビリの一環です。

退院し実生活に戻った後に、ガーデニングなど屋外での行動にも対応できるべく

考えられた療法のようです。

 

 

次は、2階のドクターフロアへと行ってみましょう。

 

24時間体制の総合病院のため、多くの科の先生方が仮眠を取れるよう

当直室は5つ増設されました。

ベッド1台とその脇の通路分の広さではありますが、できたての綺麗な当直室で

ハードな仕事の中でも少しでも身体が休まってくれたら嬉しいです。

 

当直室の向かい側には医局があります。

先生方の分の電源コードやLANケーブルが置かれています。

全てをざっと数えただけで30名以上の先生方がここで机を並べることになっています。

 

医局の隣にはドクターラウンジが併設されています。

ここにはキッチンが併設されている他、ソファーやテーブルが置かれ、

先生方のちょっとした休憩スペースとして横になったり、食事ができる場所になります。

 

 

お次はいよいよ、3階の手術フロアへと上がります。

こちらには手術室が3部屋増設されました。

 

そのうちの一つに入ってみると…

 

まだ器材や設備が置かれていないせいもありますが、30畳程と広~い!

 

足元から電源を取ると、コードで足をひっかけてしまうため、

天井から吊り下げ型の電源ステーションが設置されています。

ロボットアームみたいですね。

 

部屋の壁には、照明や空調スイッチの他、BGMの調整ツマミもついています。

先生方は一体、どんな曲を聴きながら手術をするのでしょうね(笑)

 

手術室の外には、器材室の他、麻酔科医休憩室もあります。

麻酔医は、手術には絶対不可欠の重要な存在です。

そんな麻酔医の先生方が手術前後に快適に過ごせるべく、広めのお部屋です。

 

 

今回、見学しながら、故・手塚治虫先生の「ブラック・ジャック」を思い出しました。

 

40年以上前に発表された作中で、医師免許も持っていた手塚先生が

“こんな設備があったらいいな”的な想像で描いていたであろう世界が、

現代において取り入れられてるのを見ると、医学や医療技術の進歩を改めて感じられます。

 

そんな医療の世界の発展に当社も微力ではありますが、設計として携われたことを光栄に思います。

 

 

現在放送中の大人気ドラマ「ドクターX ~外科医・大門未知子~」の中で、

女優の米倉涼子さん演じる主人公・大門未知子は

「医師免許がなくてもできる仕事は一切いたしません!」というスタンスの持ち主です。

 

しかし、私達千都設計は

「医師免許はなくても、これからも医療界の発展のお手伝いをすべく携わり続けます」

 

このスタンスを胸に、今後も医療分野の設計において尽力して参ります!